私は、食べることが大好きです。
おいしいものを食べると、嬉しくなる。
誰かと一緒に食べると、会話が生まれる。
「おいしかったね」と笑い合える。
食べることって、栄養を摂るだけではなく、
人の心まで豊かにしてくれるものだと思っています。
だから私は、
「食を通じて誰かを幸せにしたい」と思って、この仕事をしています。
けれど、私が関わっているのは、
食べることそのものに困難を抱えている方たちです。
摂食嚥下障害。
「食べたいのに、思うように食べられない」
そんな方と向き合う中で、私は何度も考えてきました。
どうしたら、もう一度「食べるっていいな」と思ってもらえるだろう。
安全に食べることはもちろん大切。
でも、それだけではない。
その人が何を食べたいと思っているのか。
どんなふうに食べたいのか。
食べることで、どんな時間を過ごしたいのか。
そんなことも大切にしながら、
その方に残されている「食べる可能性」を一緒に探していきたい。
そう思っています。
先日、訪問看護で関わった方も、
「もっと普通のものが食べたい」と話されていました。
状態を評価し、ご家族と相談しながら、
ご自宅で炊いたご飯を試してみることに。
そして、お茶碗一杯をぺろりと完食。
そのときの笑顔を見て、
「あぁ、よかった」と心から思いました。
私にとって、この瞬間が何より嬉しいのです。
たくさんの人を幸せにすることはできなくても、
目の前の一人が「食べられた」と喜んでくれる。
その一つひとつを大切にしていくことが、
私にとっての「食で人を幸せにする」ということなのだと思っています。
「食べるって、やっぱりいいな」
そう思える瞬間を、
これからも一緒に取り戻していけたらと思っています。



