9月21日は、世界アルツハイマーデー。
認知症への理解や、認知症の人と家族への支援を広げるため、各地でさまざまな活動が行われています。
「公益社団法人 認知症の人と家族の会」が主催する世界アルツハイマーデー記念講演会で、
「大切な人の“食べる”を守るために
~“お口から食べる”を支える関わり方のヒント~」
というテーマでお話をさせていただきました。
認知症の方の食事をめぐっては、
「最近、よくむせるけれど大丈夫?」
「もう口から食べられないの?」
「食べないときは、どうしたらいい?」
ご家族から、さまざまな不安や戸惑いの声が聞かれます。
そんなとき、私がお伝えしたかったのは、
「食べられない」と決めつける前に、もう一度、その方をよく見てほしい
ということです。
むせる。
食べる量が減った。
食べなくなった。
その「結果」だけを見るのではなく、
「なぜ、そうなったんだろう?」
と考えてみる。
姿勢はどうかな。
体調はどうかな。
お口の中はどうかな。
食事の形態は、その方に合っているかな。
今、何なら「食べたい」と思えるかな。
一つひとつ見直していくことで、その方の**「できること」や「食べられる可能性」**が見えてくることがあります。
講演では、
- 食べられる状態をつくる
- 「好き」を大切にする
- 食べやすくする
- 「食べない」を責めない・決めつけない
- 一食だけではなく、一日の中で考える
という5つの視点をお伝えしました。
そして、最後にお伝えしたのが、
無理に食べさせない。
でも、すぐにあきらめない。
ということ。
「食べることが危ないから、もうやめましょう」でもなく、
「何としても食べてもらいましょう」でもない。
その間にある、
「どうしたら、この方にとっての『食』を大切にできるのかな?」
という視点を、ぜひ持っていただきたいと思っています。
「食べる」を支えることは、その人の尊厳を支えること。
今回の講演が、ご本人やご家族、そして支援に関わる方にとって、もう一度「食べる」を考えるきっかけになっていたら嬉しく思います。
このような大切な機会をいただき、講演を通して皆さんと「食べる」について考える時間を共有できたことに、心から感謝しています。
これからも、一人ひとりの「食べたい」に丁寧に向き合いながら、その方にとっての「食」を一緒に考えていきたいと思います。


