私は、摂食・嚥下障害看護認定看護師として、2026年で18年目になります。
これまで急性期病院や回復期リハビリテーション病院で、摂食嚥下サポートチームの立ち上げやスタッフの育成、ケア体制の整備などに携わってきました。
病院の中で、多職種と一緒に「もう一度、口から食べる」ための支援を考えることには、大きなやりがいがありました。
一方で、ずっと心に残っていたことがあります。
誤嚥性肺炎で入院された方が、リハビリを頑張って再び口から食べられるようになり、施設へ退院する。
「よかった」と送り出したのに、しばらくすると、また誤嚥性肺炎で入院される。
そんなことが、決して珍しくありませんでした。
施設へ伺うと、「食事介助が難しくて……」という声を聞くこともありました。
病院では一生懸命支援できていても、その先の「生活の場」では、十分な支援が届いていない。
その現実に触れるたびに、
「病院の中だけでなく、その先の暮らしにも、摂食嚥下ケアを届けたい」
という思いが強くなっていきました。
そして2021年、私は病院を離れ、摂食嚥下ケアに特化したコンサルタントナースとして独立しました。
現在は、医療機関や介護施設、訪問看護事業所などで、教育や実践支援を行っています。
また、現場感覚を大切にしたいという思いから、今も高齢者施設や訪問看護で非常勤として勤務しています。
実際の生活の場で利用者さんと関わり、現場の悩みや迷いに触れる。
そこで感じる一つひとつのことが、今の私の活動につながっています。
そして私は、摂食嚥下ケアは、STだけが担うものではないと思っています。
もちろん、言語聴覚士は大切な専門職です。私自身も病院勤務時代、たくさんのSTの皆さんと一緒に評価やケアを行い、多くのことを学びました。
その一方で、施設や在宅では、専門職による支援を受けることが難しい場面もあります。
だからこそ、日々その方のそばにいる看護師や介護職の皆さんが、
「いつもと少し違う」
「今日は飲み込みにくそう」
そんな小さな変化に気づき、必要な支援につなげられることが大切だと考えています。
病院から、生活の場へ。
「食べる」を途切れさせないために、私にできることは何だろう。
そんなことを考えながら、私は今も活動しています。
病院の中でできる支援だけではなく、その先の暮らしまで「食べる」をつないでいく。
その方にとっての「食」を大切にしたい。
それが、私が摂食嚥下コンサルタントナースとして目指していることです。


